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牛ふん、鶏ふん堆肥の使い方

 有機肥料の発酵済み堆肥の牛ふん、鶏ふんは園芸に適した肥沃な土壌を作るために非常に有効な堆肥です。しかし、発酵済み堆肥は種類により大きく異なる性質を持ち、用途により異なります。

牛ふん、鶏ふん堆肥の特徴

牛ふん、鶏ふん肥料成分含有量(目安)

種類  窒素(N) リン酸(P)  カリ(K) 
牛ふん堆肥 0.2% 0.5% 0.9% 
鶏ふん堆肥 1.0% 2.3% 0.9% 
※鶏ふん堆肥は、アルカリ性です。

牛ふん堆肥の特徴

 牛ふん堆肥は、栄養素をバランスよく含み、ミネラルなどの様々な微量成分を含む堆肥です。
 栄養素の含有率は低いものの、草食により植物繊維を多く含むため、適度な水捌けがあり、植物の根の成長が促される柔らかな土をつくる土壌改良効果があります。
 また、牛ふん堆肥に生息する微生物は肥料として使用後も有機物の分解を促進し、養分への転化を促します。

鶏ふん堆肥の特徴

 鶏ふん堆肥は、有機肥料・堆肥の中でも栄養素の含有率が非常に多く、特にリン酸と窒素分が多い堆肥のため、栄養素の補給に適した堆肥です。
 栄養素の中でもリン酸が多いことから、実りのある作物に実つきがよくなります。
 優れた栄養素がある一方で、鶏は飼料を餌にしていることから鶏ふん堆肥内に植物繊維は少なく、土を固くします。
 また、鶏舎の消毒に消石灰を使用することから石灰成分を含み、PH値がアルカリ性です。

発酵堆肥の性質

 牛ふん・鶏ふん肥は、発酵過程で微生物の働きにより土壌の窒素やミネラルを消費して、発熱して発酵します。
 発酵過程では、熱だけでなくガスの発生。微生物の働きで土壌内の酸素を消費します。
 発酵を促すためには、内部に酸素を取り込むために切り返しを行い空気を取り入れます。切り返しを行わない場合、完全発酵には数年。切り返しを適切に行って半年程度の期間が必要となります。
 完全発酵済み(完熟)の堆肥は、これらの過程が完全に終了して発酵前のふんのべとつきや臭いが一切ないものとなり、肥料として用いることが出来ます。

市販される発酵堆肥使用の注意

 ホームセンター等で市販される袋入り堆肥は、必ずしも発酵が十分なされた完熟堆肥ではありません。
 開封して臭いやべとつきを感じた場合、発酵が不十分であると判断できます。発酵は不十分な状態で使用すると、作物に害を与えるため使用はお勧めできません。使用前に追熟させて発酵させて使用することが望ましいです。
 なお、市販の堆肥は、販売形状の袋詰めにされた時点で停止しているため、未開封の状態で放置しても発酵を完了しません。
 完全発酵(完熟)させるためには、開封して畑等の隅に山積みにして放置させます。

発酵が不十分の堆肥使用の影響

 発酵が不十分の堆肥を使用すると、開封して散布した段階で発酵過程を再開します。このため、畑・ガーデニング等の地中内の酸素や窒素を奪うことで、作物が衰弱します。
 また、発酵が不十分な物が多すぎると紋羽病の発生原因ともなり、土壌を汚染します。

発酵済み堆肥の使用方法

 堆肥は、化成肥料と異なり栄養成分の一部は堆肥内の水分に溶け込んでいます。このため、使用後の乾燥すると水分に溶け込んだ窒素が蒸発とともに気化して消失し、肥効が低下します。
 これを防ぐため、畑・ガーデニングに使用(散布)後は速やかに地中に埋める。又はトラクターや管理機、鍬を用いて土壌と撹拌することで地中に吸収され窒素分が土壌に定着します。
 また、単に含有する栄養素だけでなく、堆肥に含む微生物により地中の枯草等の有機物の分解が促進されることで地力が最大限発揮することができます。

関連情報
園芸の肥料
 ・牛ふん・鶏ふんのについては、牛ふん、鶏ふん堆肥の使い方
  ・油かす肥料については、油粕に発生する白いカビと肥料効果

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